「やさしい本泥棒」は2013年公開され2014年アカデミー賞作曲賞ノミネート、2014年ゴールデン・グローブ賞作曲賞ノミネートになっており、監督はブライアン・パーシヴァル、音楽はジョン・ウィリアムズです
少女リーゼルはソフィー・ネリッセ、里親の父ハンスはジェフリー・ラッシュ、里親の母ローザをエミリー・ワトソンが演じています
あらすじは第二次世界大戦前の1938年、ドイツ・ミュンヘン近郊に里子に出された少女リーゼルが新しい父親となるハンスから、文字の読み書きを教わり本を通して新しい世界を教わっていきます
しかしドイツはナチス支配下により、市民は自由に本を読むことさえ禁じられ、ユダヤ人連行などを行っていきます
リーゼルを通してナチス支配下のドイツを舞台に人々を描きだす
この作品は静かに淡々と進んでいきます
リーゼルがミュンヘン郊外に里子として来て友達や家族の絆が出来るまでをやさしく描いていくのです
リーゼルを通してドイツ・ミュンヘンの人々、ナチス支配下の人々の心情などみせていくのですが、それがまた自然に描かれていきます
町を通して、町中の本を燃やしたり、ユダヤ人の人々が連行するシーンなどナチスの恐ろしさを残酷なシーンを出さずに表現していくのです
この映画の見所の一つはナチス支配下のドイツの町の人々に視点を向けたところにあります
町の人々もまた、軍に対して自分も襲われはしないだろうかという恐怖を感じている姿が描かれており、ユダヤ人に対しての憎しみがないことも判ります
ナチスと国民はあくまで一緒ではないことが理解できるのです
故にユダヤ人を匿う人々の心情も我々に流れてきます
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リーゼルが見るドイツはどのように映ったのか?
リーゼルはまだ少女です
社会についてまだ、よく知りません
だからこそ、彼女の目には社会がおかしくなっていく姿が映っていきます
彼女の成長には本が関わっていきます
最初は読み書きさえ出来なかったのが、本の存在が彼女の心と、人々の関わりを作っていきます
皮肉なことに本を読むことを禁じられてからです
ですが本の存在が彼女を変えていくのです
ジェフリー・ラッシュやエミリー・ワトソンの名演がソフィー・ネリッセを包み込む
またこの映画は一つの家族を描いています
父であるハンス役のジェフリー・ラッシュと母であるローザ役のエミリー・ワトソンがリーゼル役のソフィー・ネリッセと共に観ている私達も包み込む演技を魅せてくれます
この映画は戦争当時のドイツの社会状況などを観ることが出来る珍しい映画です
その中でなにを見いだすのか?多様な見方が出来る映画であるとも思います
最初はゆったりとしたテンポに慣れない方もいるかもしれませんが、ひとつのドラマを通して物事を考えることが出来る良作です
是非、落ち着いている時にでも目を通して見てください
あなたの戦争の見方が変わるかもしれません
このような映画も必要なものです
それではまた、ぶちでした