江口寿を知ってる方は今はどのぐらいいるのでしょうか?
少年ジャンプで1981年「ストップ!!ひばりくん!」を連載し大ヒット、そしてにアニメ化にまでなりながらもすぐ連載を休載という、元祖不定期連載漫画家です。
「ストップ!!ひばりくん!」は休載のまま終了し、その後も江口寿は幾つもの漫画を連載するもほぼ未完結で終わっています。(エイジなど)
彼の絵のこだわりが作品を描けなくなる原因の一つでした(と思いたい)。
江口寿の絵柄はストップひばりくん!連載当時からポップさとクールさが混じった斬新なスタイルで年が立つほど絵柄はイラストテイストに進化していきました。
江口寿のセンスが漫画界に革新を与えた!
1980年台のジャンプは劇画タッチの作品などが多かったのですが、江口寿と鳥山明の「ドクタースランプ」のイラストタッチな絵柄が漫画界に新たな方向性を生み出しました
その後の漫画には彼らの影響を与えて、鳥山明はいまだに漫画界のトップにいます
あれ?江口寿は?彼は漫画家からイラストレーターにさりげに道を広げていたのです
1980年台にイラストを頼まれ初め、それがメインと言えるぐらい作品を上げていきました
彼の絵柄は一つのアートとして成立するほど完成されていました
現在にいたるまで数多くの画集も発表しています
彼の絵柄に魅了された私はいまだに買い続けています
江口寿はギャグ漫画家だった
江口寿の最初のジャンプ作品は「進め!!パイレーツ」という野球ギャグ漫画でギャグのセンスも当時の他の漫画家と余り変わらないものでした
しかし次の作品「ストップ!!ひばりくん!」がいい意味でも悪い意味でも彼の変換点になります
「ストップ!!ひばりくん!」は母を亡くした主人公の坂本耕作が世話になることになった家がヤクザであり、その大空家の三姉妹と長男とのコメディ作品なのですが、ヒロインである美少女大空ひばりは実は長男だったのです!というストーリーです
今だとよくあるネタですが、私が知る限り漫画でこの設定を持ってきたのはこの作品が初めてだと思います
ギャグからコメディテイストに
「ストップ!!ひばりくん!」はギャグなのですがスマートなギャグなどが多く、イラスト的な絵柄とマッチしてお洒落な漫画として完成しています
そして主人公のひばりくんはカッコいいのです
男ですけど、ホントにおとこ?というバランスの良さがこの作品の面白さを決定的にしました
江口寿が漫画を描けなくなる
編集に追い詰められたのか、ネタが出なくなったのか理由は分かりません
ひばりくんの中にも江口寿が参っているネタが入るようになり、ジャンプ初の休載漫画家としてひばりくんを描かなくなってしまいました
その頃からイラストレーター的な仕事もこなすようになっていきます
当時はバブルでイラストの仕事のお金も良かったそうです
それが原因なんですかね
漫画をだんだんと描かなくなっていったのは…
ハンターハンターの富樫先生の元祖ですからね
その後も「エイジ」(未完結)など幾つかの作品を上げましたが短編以外はほぼ未完結です
逆にイラストの仕事は多くなっていきました
コミックより画集が増えてきたよ、おい
イラストはまたセンスがよく素晴らしいものばかりで、仕事も多く入ったんでしょう
数年に一冊のペースで画集が出るようになりました
私としては漫画を読みたいのですが、この絵も素晴らしい!
結果、画集も毎回買うようになりました
江口寿は絵が衰えず、スマートに進化していくんです
アート的にね
ファンである私はついていかざるを得ない
あるとき江口寿がこの画集以外は捨てちゃってみたいなこと言ってたんです
ああ、この人は変わらず自分の絵を追い求めているんだなと
そして私も江口寿の絵の先を見たいんですよね
ずっと絵の魅了で人を離さない
天才なんですよね
天才のわがままに付き合うのもいいかなと何十年も追いかけて、やっと悟りました
江口先生、70過ぎても私はついていきますよ!
それではまた、ぶちでした
step ― Eguchi Hisashi Illustration Book ―
- 作者: 江口寿史
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/04/24
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る